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急性中耳炎
急性中耳炎とは
急性中耳炎とは、鼓膜の奥にある中耳という空間に細菌やウイルスが感染して炎症を引き起こす病気です。
以下のような症状がある場合は放置せず早めにご相談ください。
急性中耳炎の症状

- 耳の痛み、乳幼児の不機嫌
- 聞こえにくくなる
- 耳詰まり感、耳がこもる
- 耳だれ:炎症が強くなると、うみが鼓膜を破り外に出てきます。
- 発熱
急性中耳炎の原因

中耳は耳管という管で鼻の奥(上咽頭)とつながっています。
鼻かぜをひいたときや副鼻腔炎になると鼻やのどにいた細菌やウイルスが耳管を通って中耳内に入り炎症を起こします。
特に子どもの耳管は太く短く水平に近いため、ウイルスや細菌を含んだ鼻水が中耳に侵入しやすく中耳炎になりやすい環境にあります。
飛行機やダイビングによる気圧の変化でも中耳に炎症が起こります。
急性中耳炎を予防するには
多くの場合は鼻水と一緒に細菌やウイルスが中耳の中に入り悪さをします。
鼻水が鼻の中に溜まったままになると、さらに環境が悪くなり鼻水が増えます。そのため、鼻水をすすったりせず、鼻をやさしくかむことが重要です。
鼻の中の環境が悪いと細菌やウイルスが増えやすい環境になってしまい中耳炎も治りづらくなります。そのため耳鼻咽喉科で鼻の奥までしっかりきれいにしましょう。
急性中耳炎の治し方!治療方法は?
- 鼻水の吸引:鼻水が鼻の中に溜まったままにならないように吸引することが非常に重要になります。
- 内服治療:細菌感染による急性中耳炎に対しては抗生剤を使用して治療します。特に子どもの急性中耳炎は繰り返すことが多いため抗生剤の治療が長引くこともあります。
- 鼓膜切開:炎症が強い場合には鼓膜を切開し中耳にたまっているうみを外に出してあげる必要があります。
- 鼓膜チューブ挿入術:鼓膜切開した穴がすぐに閉じないようにチューブを挿入します。
急性中耳炎を何度も繰り返してしまったり、滲出性中耳炎が長期にわたり改善しない場合に選択する治療になります。
関連疾患
滲出性中耳炎:詳細はこちらのコラムをご覧ください
反復性中耳炎:頻繁に急性中耳炎を繰り返す場合を反復性中耳炎と言います。鼓膜チューブ挿入術の適応になります。
鼓膜にチューブを挿入することで中耳(鼓膜内の空間)の換気を行うことで感染を予防します。
急性乳様突起炎:急性中耳炎が悪化し、周りの乳突洞という空間にまで炎症が波及して骨破壊を起こし、耳の後ろまで腫れてきてしまう病気です。抗生剤による治療が主体ですが、手術となるケースもあります。